ICE WIZARD ROY & TEARS WITCH 氷の魔法使いロイと涙の魔女 英語版

第1章

ロイは氷の魔法使い。
氷を必要としている人々の願いをかなえるため、せっせと魔法を使っていました。
その働きぶりを見て感心した神様は、ロイに魔法の杖をさずけました。
杖の力でさらに強い魔法を使えるようになったロイはよろこびます。

「よし、世界中の氷が美しくいられるように、もっともっとがんばるぞ」

ロイは氷の中に記憶や思い出をたくすことができるようになりました。
はるか遠くまで言葉をつないだり、世代をこえて物語をつないだりしました。
なにかをつなぐたびに氷はきらめき、その表面にはロイの笑顔が映しだされていました。
ロイは氷に歴史をきざむことも仕事にして、いっしょうけんめいに働きました。

しかし文明が進み、人々は自分たちの力で氷が作れる機械を発明します。
ロイの魔法は、日々のくらしには必要とされなくなっていきました。
機械はどんどん増えて、いろいろなことで使われるようになりました。
その機械の熱で自然界に必要な氷が溶けはじめてしまいます。

「たいへんだ。僕がどうにかしないと」

氷がなくならないように、ロイはがんばって魔法を使いました。
ロイの仕事は、人々の願いをかなえるものから自然の氷をたやさないことに変わりました。
長い年月をかけて氷のバランスを取っていましたが、とうとう限界がきてしまいます。
ロイが氷を作るスピードよりも、機械の熱が氷を溶かすスピードの方が早くなってしまったのです。
少しずつ、ゆっくりと、そしてあっという間に、自然の氷は溶けだしていきました。

「だめだ、間に合わない…」

ロイは困ってしまいました。
どれだけがんばって魔法を使っても氷は溶けていくばかり。
それでもロイはせっせと、いっしょうけんめいに働いていました。
人々はそんなロイの姿を見て、自然の氷が溶けていることにやっと気づきます。
ロイの家の前に集まり、声をかけてきました。

「氷河が溶けてるよ!」

「海の水がふえて陸がしずんじゃうよ!」

「シロクマの住む場所がなくなっちゃうよ!」

ロイは耳をうたがいました。
それはロイをせめるものだったのです。
街のかたすみではたくさんの機械が動きつづけていました。
人々は自分たちの豊かさのことしか考えられなくなっていたのです。
そのあまりの身勝手さにうんざりしたロイは、すべてがいやになってしまいました。
ありったけの魔力をこめて自分の家のまわりに氷の壁を作りました。
外からの音は全く届きません。
もちろん内側の音も外には届きません。
氷はきれいな透明で、外の様子がよく見えます。
しんとした家の中からながめる世界は、まるでスローモーションのようでした。
ロイにとって、それはとても美しく見えました。
人々はロイのところに押しかけなくなりました。
なにを言っても反応がないからです。
やがて誰も、世界の氷が溶けていることの話をしなくなりました。

「あぁなんて静かなんだろう。これが僕とみんなとの、お互いがおだやかにすごせる良い関係なんだ」

ロイはせいせいしました。
床に魔法の杖が転がっています。
もう杖はいらなくなりましたが、捨ててしまっては神様に合わせる顔がありません。
そこでロイは外に出て、魔法の杖を屋根のてっぺんにかざりつけました。

「うん、かっこいい。こうしておけば神様も怒りはしないだろう」

ロイは家にとじこもり、音楽や映画を一人きりで楽しみました。
素晴らしい時間がすぎていきます。
長い長い時間が、すぎていきます。




Chapter 1

Roy is the ice wizard.
He used magic to fulfill the wishes of people who needed ice.
God was impressed by Roy’s hard work and gave him a magic wand.
Roy is pleased to be able to use stronger magic with his cane.

“All right, I’ll do my best to keep the world’s ice beautiful.”

Roy has become able to store retentions and memories in the ice.
They connected words far away, and connected stories across generations.
Every time I connected something, the ice gleamed and Roy’s smile projected on its surface.
Roy also made history on ice his business, and worked hard together.

But as civilization advances, people invent machines that make ice on their own.
Roy’s magic was no longer needed in everyday life.
The number of machines has been increasing, and they have come to be used for various things.
The heat of the machine starts to melt the ice needed by nature.

“Oh, no. I have to do something.”

Roy tried hard and used magic so the ice wouldn’t disappear.
Roy’s job has changed from making people’s wishes come true to not growing natural ice.
After years of trying to balance the ice, it’s finally reaching its limit.
The machine melted the ice faster than Roy could make it.
Little by little, slowly, and very quickly, the natural ice began to melt away.

“No, I can’t make it …”

Roy was in trouble.
No matter how hard I try to use magic, the ice is melting.
But Roy was working hard, as hard as he could.
When people see Roy, they finally realize the ice is melting.
They gathered in front of Roy’s house and called out to him.

“The glaciers are melting!”

“The water in the sea is increasing and the land is going to be quiet!”

“There will be no place for polar bears!”

Roy shook his ear.
It was a rush on Roy.
On the side of the city were a number of machines running.
People were only thinking about their own affluence.
Tired of his selfishness, Roy hated everything.
I put all my magic into making ice walls around my house.
I can’t hear anything from outside.
Of course, the sound inside doesn’t reach outside.
The ice is clear and clear, and you can see the outside well.
The view of the world from the quiet house was like slow motion.
It looked very beautiful to Roy.
People stopped coming to Roy.
Because there is no response no matter what you say.
Before long, no one talked about the melting of the world’s ice.

“Oh, how quiet it is. This is a good relationship between me and the rest of us, so that we can live peacefully together.”

Roy felt relieved.
A magic wand is lying on the floor.
I don’t need a cane anymore, but if I throw it away, I won’t be able to face God.
So Roy went out and stuck his magic wand on the top of the roof.

“Yeah, it’s cool. In this way, God will not be angry.”

Roy stayed at home and enjoyed music and movies all by himself.
Great time is passing.
A long, long time goes by.




第2章

ある夜、ロイは気づきました。
氷の壁の外に、全く人の姿が見えないのです。
夜とはいえ、普段ならもう少し人通りがあるものなのです。

「今日は感謝祭だったか、王様の誕生日だったか、何かの行事だったかな?まぁ明日にはまた人であふれかえるだろう」

ロイは考えるのをやめて、映画を見て寝ました。
ところが翌日の朝になっても、外には人の姿が見あたりません。
様子がおかしいのでロイは外に出ようと思い、氷の壁を魔法で消そうとしました。
ゆっくりと氷に穴が空いていきます。

「あれれ?」

ロイは不思議に思いました。
このくらいの氷の壁なら、かんたんに消したり作ったりできるはずなのです。

「ひさしぶりに魔法を使ったから、にぶってるのかなぁ」

仕方なくロイは氷の壁に空いた小さな穴に体を入れて、なんとかくぐり抜けました。
ゴロンと外に転がり落ちると、そこには目をうたがう景色が待っていました。
家も、樹々も、花も、街も、お城も、全てが氷づけになっていたのです。
世界が凍っていたのです。
となりの家を氷の壁ごしにのぞくと、家の主人と、妻と、小さな娘がいました。
家族三人でごはんを食べています。
ロイは一安心しましたが、音はいっさい伝わってきません。
三人は会話を交わしているように見えます。
その声が、外には届いてこないのです。
ロイはそこら中の家の様子をうかがいました。
どこの家も同じでした。
人々はなんとか生活はしていましたが、その表情は暗く、うかないものでした。
ロイは凍りついた街並みを見て、はっとしました。
その家々の様子は、氷の壁を作った自分の家とそっくりだったのです。
固くてぶあつい氷の壁にとじこめられた世界。
ロイはかじかんできた両手をこすりあわせます。

「だいじょうぶ、僕は氷の魔法使いなんだ。世界の氷をあやつれるのは僕しかいないんだ」

そう思うのと同時に、いやな予感がしました。
それは、さきほど魔法がうまく使えなかったことでした。




Chapter 2

One night, Roy noticed.
No one could be seen outside the ice wall.
Even at night, it’s usually a little more crowded.

“Was it Thanksgiving or the king’s birthday or something? Well, tomorrow it will be full of people again.”

Roy stopped thinking and went to bed after watching a movie.
But the next morning I saw no one outside.
Something was wrong, so Roy decided to go outside and tried to magically erase the ice wall.
Slowly, a hole will be made in the ice.

“Huh?”

Roy wondered.
It should be easy to erase and make ice walls like this.

“I haven’t used magic for a long time, so I wonder if I’m smiling.”

So Roy got into the little hole in the ice wall and managed to get through it.
He tumbled out, and there was a breathtaking view.
The houses, the trees, the flowers, the streets, the castles, everything was frozen.
The world was frozen.
I looked through the ice walls of the house next door, and saw the master, his wife, and their little daughter.
The three of us are having dinner.
Roy was relieved, but she could hear nothing.
The three seem to be talking.
That voice didn’t reach outside.
Roy looked at the houses all over the place.
It was the same in every house.
They managed to make a living, but their faces were dark and dull.
Roy was startled to see the frozen streets.
The houses looked just like their own ice walls.
A world locked in a hard, thick wall of ice.
Roy rubbed his numb hands together.

“Don’t worry, I’m an ice wizard. I’m the only one who can manipulate the world’s ice.”

At the same time, I had a bad feeling.
It was that magic was not used well.




第3章

ロイはすぐに自分の家に戻りました。
屋根のてっぺんを見あげます。
いやな予感はあたってしまいました。
かざってあったはずの、魔法の杖がありません。
ロイはもう一度、魔法を使って氷を消そうとしました。
しかし氷はゆっくりと溶けるくらいで、すぐに寒さが溶けたあとを凍らせてしまいます。
ロイの魔力だけでは、あたりをおおいつくす氷はびくともしないのです。
びゅうと冷たい風が吹きました。
小さな氷の粒が散りばめられた風は、氷をよりぶあつくさせていきます。
風はお城の方から吹いていました。
ロイは走り出します。
お城が近づいてくるにつれ、よりいっそう風が強くなってきました。
冷たい風が強すぎて、ロイの足は止まってしまいます。
なんとかふんばります。
目をこらすと、お城の門の前に人影が見えました。
不気味な声が聞こえてきます。

うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん

そこにいたのは大きな大きな魔女でした。
恐ろしい顔で、見ひらいた両目から吹雪をはなっています。
魔女は体を振りまわし、あたりの氷をどんどん大きくさせていきます。
すべてが凍りつくまで魔法を使おうとしているようでした。
そんな恐ろしい魔女の姿より、もっと恐ろしいことをロイは目にしてしまいます。
魔女の手には、魔法の杖がにぎられていたのです。
それはロイが神様からさずかった魔法の杖でした。
もう必要ないと、屋根のてっぺんにかざっていた杖です。
氷の魔力を強くさせる魔法の杖を、魔女にとられてしまったのです。
ロイは怖くなりました。

「僕がなまけたから、僕が望んだから、閉じこもりの氷の世界が現実に広がってしまったのかもしれない…」

魔法の杖をとりかえそうと、ロイは魔女に近づいていきます。
ロイの方を見た魔女の目から、さらに強い吹雪がはなたれました。
たまらずロイは吹き飛んでしまいます。
氷の地面をゴロゴロと転がりつづけ、ついには自分の家の前まですべっていきました。

うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん

魔女の恐ろしい叫び声が聞こえてきます。
ロイはくやしくて泣きました。
その涙もすぐに凍りついてしまいます。
なにもできず、ロイは小さな穴をくぐって自分の家に逃げました。




Chapter 3

Roy returned home immediately.
I’ll look up at the top of the roof.
I had a bad feeling.
I don’t have the magic wand I thought I had.
Roy tried again to use magic to erase the ice.
But ice melts only slowly, and soon freezes after the cold melts.
Roy’s magic alone won’t scare the ice that covers the area.
A cold wind blew.
The wind of small ice particles makes the ice more bubbly.
The wind was blowing from the castle.
Roy starts running.
The wind grew stronger as the castle approached.
The cold wind is so strong that Roy’s legs stop.
I’ll manage.
When I looked away, I saw a figure in front of the castle gate.
I hear a creepy voice.

Woooooooooooooooow

There was a big big witch.
With a formidable face, the snowstorm was blowing from both eyes.
She brandished herself and made the ice grow larger and larger.
He seemed to be trying to use magic until everything froze.
Roy could see more dreadful things than the figure of such a dreadful Witch.
The Witch had a magic wand in her hand.
It was the magic wand that Roy had heard from God.
It was the cane that hung on the top of the roof when it was no longer needed.
The witch took the magic wand that strengthened the magic of the ice.
Roy got scared.

“Maybe because I was lazy and I wanted to, the world of the ice shut-in became real …”

To get back his wand, Roy approaches the Witch.
and a heavier snowstorm passed from the Witch’s eye, as she looked at Roy.
and Roy was blown away.
and he rolled on the ice until he came to his own house.

Woooooooooooooooow

I could hear the terrible cries of the witch.
Roy wept bitterly.
The tears freeze quickly.
Nothing could be done, and Roy fled to his house through a small hole.




第4章

家の中は外よりはまだあたたかく、ロイの涙はしずくとなって落ちました。
どうしようもない後悔が胸をいっぱいにしました。

なぜ、閉じこもってしまったんだろう。
なぜ、魔法の杖を手ばなしてしまったんだろう。

いくらなげいても、氷はどうにもなりません。
ロイは世界とのかかわりを投げだして一人でお気楽にすごしていた自分をせめました。
今、街中の人が孤独を感じている。
誰ともかかわれない、閉ざされた世界で不安をかかえている。
いつ終わるかわからない氷の世界で、一体なにを想ってすごせばいいのでしょう。
ロイは魔力を、両手に力いっぱい集めました。
どんなにがんばっても、氷の壁をとかすことはできません。
ロイはまた泣きました。
自分が、本当は誰よりも世界とのつながりをもとめていたことに気づいたのです。
たくさんの音楽や映画のすばらしい思い出も、誰かとわかちあうことができなければ意味がないと気づいたのです。
ロイはそんなことを思えば思うほど悲しくて、つらくて、自分への怒りがこみあげました。
手のひらをギュッとにぎり、氷の壁にたたきつけました。

リィィィィィィィン

ロイはおどろきました。
氷の壁から、聞いたこともないような美しい音がひびきわたったのです。
その音はロイの胸に優しくなじんでいきました。
もう一度、ロイは氷の壁をたたいてみました。

リィィィィィィィィィィィィィィン

さっきよりも、さらに澄んだ音がしました。

「なんてきれいな音なんだろう」

ロイがうっとりしていると、氷の中からなにか聞こえてきます。
耳をすませました。

【世界は素晴らしすぎて気づかれない】

たしかにそう聞こえました。
ロイはまたおどろきました。
その言葉は、ロイの大好きな映画のセリフだったのです。
ロイは氷の壁をたたきます。

【君は僕よりいい人間だ。おかげで僕までいい人間になれる】

はっきりと聞こえました。
それも、ロイの大好きな映画のセリフでした。
ロイは氷の壁をたたきます。
たたくたびに、さまざまな映画のセリフが飛びだします。
何度もたたくうちに、ストーリーまでもが聞こえてきました。
ロイは強く願いをこめて、想像をして、魔力をこめて、氷をなぞります。
すると、まっさらな氷の表面で映画がはじまりました。
ロイの中にある記憶が、フィルムになったのです。
同じようにして、ロイは氷をなぞります。
今度は音楽が流れはじめました。
ロイの中にある思い出が、メロディをかなでたのです。
ロイはうれしくなりました。
外には冷たい風が吹きあれていますが、心の中はぬくもりにあふれていました。
そこでロイは思いつきました。
小さな穴をくぐり、外に出ました。
となりの家の前に立ち、胸に音楽を思いうかべ、氷の壁をなぞりました。
家の中にいた三人家族が、ロイの方を向いています。
音楽が氷の壁をつたって、届いたのです。




Chapter 4

The inside of the house was still warmer than the outside, and Roy’s tears trickled down.
I was filled with helpless regrets.

Why did I shut myself up?
Why did I lose my magic wand?

No matter how much I throw, the ice doesn’t help.
Roy calmed herself down by abandoning her connection to the world and spending all her time alone.
People in the city are feeling lonely now.
I feel uneasy in a closed world where no one can relate to me.
What do you think of in the world of ice?
Roy put all his strength into his hands.
No matter how hard you try, you can’t melt the ice wall.
Roy cried again.
I realized that I was more interested in the world than anyone else.
I realized that many wonderful memories of music and movies are meaningless unless I can meet someone.
The more he thought about it, the more sad, the harder it was, and the more angry he was.
I squeezed my hand and slammed it against the ice wall.

Jingle……
↑この「リィィィィィィン」って澄んだ響きはどう表現したらいいのか調べたのですが、鈴の音とかがヒットして、ひとまずjingleにしてます。
(下も同様です)
何か素敵な表現はありますかね…?

Roy was surprised.
From the wall of the ice echoed a beautiful sound that had never been heard before.
The sound went gently into Roy’s chest.
Once more, Roy knocked on the ice wall.

Jingle……jingle……

It was clearer than before.

“What a beautiful sound.”

Roy was enraptured, and something came out of the ice.
I listened.

[The world is too wonderful to notice.]

It certainly sounded that way.
Roy was surprised again.
Those words were from Roy’s favorite movie.
Roy hits the ice wall.

[You’re a better person than I am. I can be a good person because of you.]

I heard it clearly.
That was also a line from Roy’s favorite movie.
Roy hits the ice wall.
Every time I tap, I hear a lot of different movie lines.
As I played many times, I could hear the story.
Roy traces the ice strongly, prayerfully, imaginatively and magically.
Then the movie began on the plain surface of the ice.
Roy’s memories became film.
In the same way, Roy traces the ice.
Now the music began to play.
Roy’s memories licked the melody.
Roy became happy.
There was a cold wind blowing outside, but the heart was full of warmth.
So Roy came up with this idea.
He went through a small hole and out.
Standing in front of the next house, he thought of music in his chest and traced the ice wall.
A family of three in the house looks at Roy.
Music came through the ice.




第5章

ロイは柔らかなバラードを思いうかべて、氷をなぞっていました。
となりの家の主人が、うっとりとした表情で妻へと何かをつたえています。
妻はこくりとうなずき、小さな娘に何かをつたえています。
その女の子はじっと両親の顔を見つめていました。
曲が終わります。
三人はだまっていましたが、先ほどの静かさとは様子がちがいます。

「よし、次はこいつでどうだ」

ロイは、大好きなダンスナンバーを思いうかべて氷をすばやくなぞります。
ドラムの大きな音がなりました。
そのリズムに女の子が体をはねさせてよろこび、すぐにおどりだしました。
ごきげんで、ヘンテコで、そして心から楽しそうなダンスを見て、両親は笑顔になりました。
女の子のいきおいは止まりません。
両親の手をとり、イスから立ちあがらせます。
女の子のヘンテコごきげんリズムにつられて、家族全員でダンスを始めます。
外にいるロイも、気づいたらステップをふんでいました。
氷をなぞる手にもリズムがつきはじめ、どんどん音楽をつないでいきます。
三人の家族は大笑いして、笑いつかれて、みんな座ってしまいます。
ロイは音楽をとめました。
三人の姿をながめます。
家の中があたたかくなったのか、窓がくもっていました。

「たのしそうだな…」

ロイは大好きな映画を思いだし、氷をなぞります。
氷の表面で、映画がはじまりました。
女の子が気づき、かけよってきます。
氷の壁をはさんで、ロイと女の子の顔が鏡合わせのようになりました。
女の子からロイの姿は見えていません。
でもロイは感じました。
女の子と、自分が、間違いなくつながっていることをです。
両親も近づいてきます。
映画鑑賞がはじまりました。
ロイも外から映画を見ます。
三人がさまざまな表情を見せてくれることが、ロイはうれしくてしかたありません。
自分の大好きな音楽や映画が誰かの楽しみになるなんて、一人で閉じこもっている時には想像もつきませんでした。
しあわせを感じている中で、またチクリと胸が痛みました。
この氷の世界を作り出してしまったのが自分であることへの後悔でした。

映画が終わりました。
三人はほほえみながら、肩をよせあっています。
女の子が立ちあがりました。
スタスタと歩いて行くと、玄関から庭に出ました。
両親は慌てて上着を持って追いかけます。
女の子はとなりの家を見ています。
手をのばし、氷の壁をなぞります。
ロイの心臓がドクンと音を立てました。
先ほどのダンスナンバーが流れはじめたのです。
となりの家では、小さな男の子が窓から外をのぞいています。
あんぐりと口をひらいています。
小さな男の子の後ろから、さらに小さな男の子が顔を出します。
二人の兄弟は家の中にむかって何かを言っています。
すぐに、兄弟の両親も窓のところにやってきました。
全員が、リズムに乗っています。

「伝わっていってるんだ…」

ロイの胸の痛みが、よろこびによって消えはじめました。




Chapter 5

Roy was tracing the ice, thinking of soft ballads.
The owner of the house next door was saying something to his wife with a dreamy expression.
She nodded and said something to the little girl.
The girl was gazing at her parents’ faces.
The song ends.
The three were silent, but not as quiet as they had been.

“Okay, how about this one?”

Roy recalls his favorite dance number and quickly traces the ice.
There was a loud drum.
and the little girl was glad to make her leap at the rhythm, and began to dance at once.
They smiled when they saw the happy, strange, and genuinely happy dance.
The girl’s enthusiasm won’t stop.
Take your parents’ hands and get them up from their chairs.
The whole family starts dancing because of the girls’ strange and cheerful rhythm.
Roy, who was outside, found himself stepping.
The hand tracing the ice begins to pick up the rhythm, and the music continues.
The three members of the family laughed so hard that they all sat down.
Roy stopped the music.
I see them.
Perhaps because the inside of the house became warm, the windows were cloudy.

“Sounds good …”

Roy recalls his favorite movie and traces the ice.
The movie started on the ice surface.
A girl notices it and runs to it.
Between the ice walls Roy and the girl’s face looked like they were in a mirror.
Roy is invisible to the girls.
But Roy felt.
… that you’re definitely connected to the girl.
My parents are coming, too.
The movie has started.
Roy also watches movies from outside.
Roy was delighted at the diversity of their facial expressions.
When I was alone, I couldn’t imagine that my favorite music and movies would be someone’s pleasure.
While I was feeling happy, I felt a tingling pain in my chest again.
It was my regret that I had created this ice world.

The movie is over.
The three smiled and held each other’s shoulders.
The girl stood up.
I walked with a stuster and came out to the garden from the entrance.
My parents run after me with a jacket in a hurry.
The girl is looking at the house next door.
Stretch out your hand and trace the ice wall.
Roy’s heart throbbed.
The dance numbers just started playing.
In the next house a little boy was looking out of the window.
He’s talking big.
From behind the little boy, another little boy appeared.
The two brothers are talking to the inside of the house.
Soon her brother’s parents came to the window.
Everyone is on the rhythm.

“It’s coming through …”




第6章

となりからとなりへ。
音楽と映画はどんどん伝わっていきます。
ロイもたくさんの家に自分から伝えていきます。
いつからかどこからか、ロイが伝えたものとは別の、人それぞれの大好きな音楽や映画があらわれはじめました。
それらも伝わっていき、色とりどり無限大に広がっていきます。
閉ざされた氷の壁の中でも、人々の表情が晴れわたっていきます。
みんなが映画や音楽を楽しんでることが、ロイはうれしくてたまりません。
感想や感動を分かちあって、映画や音楽そのもの以上の価値が生まれていることが、もっとうれしくてたまりません。
世界中に、家族でも、恋人同士でも、一人でも、家の中で幸せな気持ちになり、それを共有するよろこびが広がっていきます。
そしてそこから、また新しい言葉や物語が生まれていきます。
一つ一つは小さなものでも、つながっていくことで素晴らしく大きなものに変わっていきました。


ピシッ


かすかな音がしました。
ロイが目をこらすと、氷の壁に糸ほどの細さのヒビが入っています。
そのヒビからは、光がさしていました。
ロイは手を近づけます。
ヒビが両はしから長くなっていき、亀裂に変わりました。
ロイは魔力を込めて、両方の手のひらに力をこめました。
亀裂は氷の壁をすごい速さで走っていきます。
見る見るうちに亀裂が氷の壁を埋めつくしました。
透明さはなくなり、真っ白になりました。
音が消えます。
次の瞬間でした。


カシャァァァァァァァァァァァン


美しく繊細で、そして壮大な音を立てて、氷の壁がこなごなにくだけちりました。
突然のできごとに、ロイは声が出ませんでした。
あたりを見わたすと、街中をおおいつくしていた氷の壁があとかたもなく消えてなくなっていました。
人々が、不思議そうな顔をしながら外に出てきます。
みんなで顔を見あわせました。
今度は力強く豪快で、それでいて心地良い音がわきあがりました。
歓声です。
人々の歓喜の声が、街中に、世界中にひびきわたったのです。

「わぁ!見て!」

誰かが言いました。

「氷のかけらが!」

「キラキラ光ってるぞ!」

「ダイヤモンドみたいだ!」

くだけちった氷が、かがやきながらロイのまわりをただよっていました。
まるでロイに話しかけているようです。
ロイは氷のかけらにふれます。
たまらなくうれしくなり、ロイは高らかにさけびました。
その声と同時に、氷のかけらたちはいっせいに広がり、強く光って消えていきます。
その美しい光景を見た人々の歓声が、さらに大きくなります。
一番おどろいたのはロイ自身でした。
両手からあふれる魔力を感じます。
びゅうと冷たい風が吹きました。
氷の壁はなくなりましたが、遠くにはまだ吹雪がうずまいていました。
ロイは魔法で風をしりぞけます。
魔女のいるお城に向かって、歩き出しました。




Chapter 6

From one to the next.
Music and movies are spreading fast.
Roy also tells many houses by himself.
From some time or other, the music and movies that each of us loved began to emerge, different from what Roy had conveyed.
They are transmitted and spread in various colors and infinity.
Even in the closed ice walls, people’s faces begin to clear up.
Roy is delighted that everyone is enjoying the movies and music.
I ’ m even happier when I can share my impressions and emotions and create value beyond the film and music itself.
Around the world, family members, lovers, and even one person feel happy in their homes and the joy of sharing it spreads.
From there, new words and stories are born.
Even small things can become wonderful and big by being connected.

Crack
↑「ピシッ」というヒビが入ったのを表現したいのですが、アメコミとか日本の漫画の英訳版とかも擬音語は英語表現だと動詞で表すのが定石みたいですね。
英語の絵本とか、さらに調べてみます!

I heard a faint sound.
When Roy looked over, he saw a thread-thin crack in the ice wall.
There was a light through the crack.
Roy puts his hands close together.
The crack grew from both ends and turned into a crack.
Roy applied magic to both palms.
The cracks run very fast through the ice wall.
The cracks filled up the ice wall as I looked.
It has lost its transparency and is now pure white.
The sound disappears.
It was the next moment.

Crush!!!!
↑これも「カシャァァァン!」という擬音語を表現したいですね〜
調査します!

Beautiful and delicate, and with a magnificent sound, the ice walls broke to pieces.
Roy was silent at the sudden happening.
As I looked about me, I saw that the ice walls which covered the city had disappeared without a trace.
People come out with wondering faces.
We all met.
This time it was powerful and exciting, yet it made a pleasant sound.
Cheers.
The cheers of the people echoed all over the city and the world.

“Wow! Look!”

Someone said.

“A piece of ice!”

“It’s sparkling!”

“It’s like a diamond!”

The dull ice was gleaming round Roy.
It’s as if I were talking to Roy.
Roy touches a piece of ice.
Very happy, Roy shouted loudly.
At the same moment, the pieces of ice spread out all at once and flashed away.
The cheers of people who saw the beautiful sight will become louder.
The thing that surprised me the most was Roy himself.
I feel the magic from both hands.
A cold wind blew.
The ice wall was gone, but the snowstorm was still far away.
Roy shields the wind with magic.
He walked toward the castle where the witch was.




第7章

魔女は変わらず、その目から吹雪をはなっていました。
ロイは両腕で顔をかばい、少しずつ近づいていきます。
魔女の姿がはっきりとしてきました。
近くまで来ることでロイは気づきました。
魔法の杖は、魔女の手ににぎられ、凍りついていました。
吹雪をはなつ両目も、魔法の杖をふりまわす動きも、よく見ると様子が変です。
ロイは魔女に近づき、魔法をはなちました。
魔女の手を凍らせている氷をとかしたのです。
ドン!と音がして、一気に吹雪がやみました。
ロイは顔の前から手をおろします。
地面には、魔法の杖がころがっています。
魔女は泣いていました。
その涙はとめどなく流れています。
ほほをつたい、服をぬらして、地面にしみていっています。
涙は止まりません。
ロイは魔法の杖を手にとります。
あたり一面の氷を消しさりました。
魔女の体は小さくしぼみ、さっきまでの恐ろしい姿がうそのようです。
泣きながら魔女は言いました。

「わたしは、炎の魔女です…」

魔女は炎をあやつる魔法使いだったのです。
世界であっという間に増えた機械の熱も、魔女の炎の一部でした。
人々の暮らしをよりよくする機械があらわれはじめた時は、機械も、その熱も、豊かなエネルギーとしてよろこばれていました。
しかし時代が進むにつれ、とくに必要としていないものにまで機械は使われはじめてしまいました。
その熱はむだなエネルギーも生みました。
世界の炎のバランスがくずれだしたのです。
機械は増えつづけ、熱は上がりつづけ、炎はコントロールがきかなくなりました。
人々の声は、機械をのぞむものと、機械をきらうものに分かれていきました。
炎や熱の混乱したエネルギーは、炎の魔法使いである魔女にも向けられました。

「氷河が溶けてるよ!」

「海の水がふえて陸がしずんじゃうよ!」

「シロクマの住む場所がなくなっちゃうよ!」

そんな人々の声が、魔女には恐ろしく聞こえて、耳からはなれなくなってしまいます。
ロイは自分が閉じこもった時のことを思いだしました。

「なんとか炎のバランスをとろうとしたのですが、わたしの魔法だけではもうどうにもならなかったのです…」

こまりはてた魔女は、氷を自由にあやつる魔法の杖があるといううわさを聞き、この街にやってきたのでした。
魔女は炎の力で人々の願いをかなえられないことがつらくて、その心はボロボロでした。
氷の家の屋根に魔法の杖がかざってあるのを見た時、魔女の中にはうれしさと悲しさが入りまじっていました。
杖を手に取ると、氷の魔力が魔女の体をつつみこんでいきました。

これで、炎を怒られなくなる。
これで、全てを凍らせれば怖い声を聞かなくてすむ。

魔女の願いは、もうゆがんでしまっていたのです。
魔法の杖は魔女の願いに強く反応してしまい、すさまじい魔力をはなちました。
周りの景色が見る見るうちに凍りついていきました。
魔女は恐ろしくなり、魔法の杖をはなそうとしました。
しかし、すでに杖を持つ手は凍りついていました。
杖を放り投げようと腕を強くふりましたが、氷の魔法が広がっていくだけで、世界を凍りつかせるのが早くなるだけでした。
望まない景色に変わっていくのを見て、魔女は泣きました。
その止まらない涙は、吹雪になりました。
魔女は自分の体から放たれる氷の魔法を、コントロールすることができなかったのです。

「ごめんなさい。ごめんなさい」

魔女は、うぉぉぉんと大きな声を上げて泣きました。
ロイは黙ってしまいます。
どんな言葉も無力に思えました。
まだ冷たさの残るしんとした空気がはりつめています。




みんなでやろう




声が聞こえました。
ロイが見ると、小さな女の子が立っていました。
となりの家の女の子です。
ひとみをうるませていました。
そのひざはかすかにふるえていました。
ロイと魔女はおどきました。
女の子のひとみの光にあてられて、まわりの人々も目をかがやかせました。
次々に声が上がっていきます。

「そうだよ!」

「まかせっきりにしてごめん!」

「おれたちもやるからさ!」

それはやがて大きな波になり、街中に、世界中に広がっていきます。
全員が協力して世界を作っていこうという、宣誓のようでした。
その勇気にみちあふれた声を聞いて、ロイの胸には情熱があふれ、魔女の胸には冷静さがもどります。

「もう一度みんなでやってみようよ。僕は氷の魔法使いロイ。もうとじこもったりしないからさ」

ロイはてれ笑いをうかべ、手をさしだしました。
魔女のほほをぬらしていた涙が、一瞬にしてかわきました。
炎の魔力が力強く、燃えあがったのです。

「わたしはルー。炎の魔女ルーです」

ルーも手をさしだします。
かたい握手をむすんだ二人の魔力はあたたかさとなって、うずをまくように世界に広がっていきました。
灰色のくもが消えて、青空と太陽も顔をだしました。
日ざしをあびながら、人々は顔を合わせ、言葉をかわし、手を取って、抱き合って、みんなで再会を祝福しました。
誰もがぬくもりの大切さを、心からよろこびました。




Chapter 7

The Witch remained, and the snowstorm was blowing from her eyes.
Roy covers his face with his arms and approaches little by little.
The witch came into view.
Roy became aware by the proximity.
The Wand was frozen in the Witch’s hand.
When I look closely, both eyes of a snowstorm and the movement of waving a magic stick look strange.
Roy approached the witch and broke her spell.
and melted the ice that had frozen her hands.
Don! I heard a sound and the snowstorm stopped all at once.
Roy put his hand down from in front of his face.
There was a magic wand lying on the ground.
The witch was crying.
The tears were flowing endlessly.
My cheeks are down, my clothes are wet, and they are soaking into the ground.
I can’t stop crying.
Roy takes a magic wand.
All the ice has gone.
The Witch’s body shriveled and shriveled, as if she had been lying about her horrible appearance.
cried the Witch.

“I am the Witch of Fire …”

The witch was a wizard who controlled the flames.
The heat of the machine, which increased rapidly in the world, was part of the witch’s flame.
When the machines that make people’s lives better began to appear, both the machines and their heat were welcomed as rich energy.
However, as time went by, machines began to be used for things that were not particularly needed.
The heat also produced waste energy.
The balance of the world’s flames began to fall.
The machines kept increasing, the heat kept rising, and the flames were out of control.
The voices of the people were divided into those who looked at the machine and those who hated the machine.
The confused energy of fire and heat was also directed at the Witch, the Wizard of Fire.

“The glaciers are melting!”

“The water in the sea is increasing and the land is going to be quiet!”

“There will be no place for polar bears!”

Such voices sounded terrible to the Witch, and she could not hear them.
Roy remembered the time when he had shut himself up.

“I tried to balance the flame, but my magic was no longer enough …”

The diligent witch had come to this city after hearing a rumor that there was a magic wand that could manipulate the ice freely.
The witch had a hard time not being able to satisfy people’s wishes with the power of fire, and her heart was in tatters.
When she saw a magic wand on the roof of the ice house, there was a mixture of joy and sorrow in the witch.
She took the stick in her hand, and the magic of the ice went through her body.

This will keep the flames from getting angry.
If you freeze everything, you don’t have to hear scary voices.

The witch’s wish had already been distorted.
The Wand reacted strongly to the Witch’s request and exterminated her tremendous magic power.
It froze as I looked at the surrounding scenery.
The Witch was terrified and tried to use her magic wand.
But the hand with the cane was already frozen.
He waved his arm hard to throw the stick away, but only the spreading magic of the ice made the world freeze faster.
The witch cried when she saw the scene change into something she didn’t want.
Those unstoppable tears turned into a snowstorm.
The witch could not control the ice magic that was released from her body.

“I’m sorry. I’m sorry.”

The Witch cried aloud.
Roy is silent.
Every word seemed powerless.
The still chilly air was filling the air.


Let’s do it together.


I heard a voice.
Roy saw a little girl standing.
It’s the girl from the next house.
His eyes were noisy.
His knees trembled slightly.
Roy and the Witch withdrew.
The light of the girl’s eyes brightened up the people around her.
One voice after another.

“That’s right!”

“I’m sorry I left everything to you!”

“We’ll do it!”

It eventually becomes a big wave that spreads throughout the city and around the world.
It was like an oath that everyone would work together to make the world.
Hearing her brave voice, Roy’s heart was filled with passion, and the witch’s heart was calm again.

“Let’s try it again. I’m Roy, the ice wizard. I won’t stay inside anymore.”

Roy laughed and held out his hand.
The tears that had moistened the witch’s cheeks dried in an instant.
The magic of the flame was strong, and it burned.

“I’m Lou. The Witch of Fire, Lou.”

Roux also puts out his hand.
The magic of the two who shook hands became warm and spread like a swirl around the world.
The gray spiders disappeared, and the blue sky and the sun came out.
As the sun rose, they met, exchanged words, held hands, embraced each other, and celebrated the reunion.
Everyone was very pleased with the importance of warmth.




エピローグ

ロイはせっせと世界に必要な氷を作ります。
ルーは世界の炎をコントロールしています。
人々は世界から機械の数をへらしていきました。
命にかかわる大切な機械も動いているので、全てを止めることはできません。
ロイとルーをたすけるために機械をつかったり、おさえたりして、世界のバランスを取っています。
以前のような便利さはなくなりましたが、みんなたのしそうにしています。
新しい幸せを作りはじめていました。

ロイは手のひらに乗るほどの氷の板を作りました。
歴史をきざめる『きらめきの氷』です。
永遠ではありません。
いつかは溶けてしまう氷です。
それでも、ロイは世界中の人々のところにその氷が届くよう魔法をはなちます。
ふだんは氷の表面に言葉も音楽も映画もあらわれません。
ただただそこには、もつ人の笑顔が映しだされているのでした。




おしまい




Epilogue

Roy is busy making the ice that the world needs.
Lou controls the flames of the world.
People reduced the number of machines from the world.
We cannot stop everything because vital machines are working.
I balance the world by using machines to cut down on Roy and Roux.
It’s no longer as convenient as it used to be, but everyone is looking forward to it.
I was starting to create new happiness.

Roy made an ice sheet that could fit in the palm of his hand.
This is the ‘sparkling ice’ that defines history.
Not forever.
The ice will melt someday.
Still, Roy makes magic happen so the ice reaches people all over the world.
Usually there are no words, music or movies on the surface of the ice.
It simply reflected the smiling faces of the owners.





The end.